間接金融
間接金融とは株式発行や社債発行のように投資家が直接企業に資金を融通する直接金融に対し、銀行などの金融機関が投資家の余剰資金を集めて企業に貸し付け、利子収入から銀行経由で投資家に利益が還元されるような間接的な資金供給のことをいいます。
小口の投資(銀行預金までを含む)を市中から広く集めて、大口資金にして融資が出来るメリットがあります。
銀行は多数の企業に対する融資や、さまざまな投資先で集めた資金を運用するため、堅実に行えば大規模なポートフォーリオによるリスクの軽減が行われていることになります。
資金の貸し手は企業などの借りてと直接取引関係にはなく、個々の借り手が破綻したり投資に失敗したとしても全体として銀行の経営が保たれている限りは貸し手が損害を被る心配はなく、安全性が高いため、非常に小額であったり、持ち主に投機的意思が全くないような資金までも、くまなく吸収する効果があります。
現金を銀行に預けずにタンス預金にするのは、一部の変わり者であり市中の資金のうち使い道未定の余剰資金は、いずれかの銀行に集められることになります。
これは、間接金融による信用創造の効果で、銀行の存在意義でもあります。
こうした本質をもつため、銀行には特に高い信用が必要です。
原則として債務不履行は絶対にしない、破綻もしない、という信用で成り立っているため、こうした信用が僅かでも揺らぐと正常に機能しなくなります。
一銀行が行える規模の融資では不十分な大規模開発の場合、複数の銀行がアレンジャーやエージェント役の銀行を通して融資を行う、シンジケートローンという手法が使われます。
もともと貸し手と借り手の間に銀行が介在するから間接金融ですが、銀行と借り手の間に別の銀行が介在する、さらに間接的な金融ということになります。